ロレックスの機械式時計は高い耐久性を持っていますが、
定期的なオーバーホールが重要です。
今回はロレックス オイスターパーペチュアルのオーバーホール修理事例をご紹介します。
長年仕舞い込んでおり、久しぶりのご使用ということでのご依頼です。
お持ち込みいただいた時計は大きな日差は出ていないものの、
振り角の低下と片振りが見られる状態でした。
機械式時計では、このような症状が見られる場合、
内部の油の劣化や摩耗が進んでいる可能性があります。
今回はオーバーホールを行い、
ムーブメントの状態を整えていきます。
オーバーホール前の測定結果
まずはタイムグラファーを用いて、ロレックスの内部音から日差・振り角・片振りの状態を確認します。

オーバーホール前のタイムグラファー測定 振り角257° / 片振り0.8ms
振り角とは:
テンプの振れ幅を示す数値で、
機械式時計のコンディションを判断する重要な指標です。
ロレックスの場合、
健康な状態ではおおよそ270〜300°程度の振り角が出ます。
片振りとは:
テンプの振り子運動の左右のバランスがどれくらいズレているかを示す数値です。
理想的な状態では左右の振れが均等になり、片振りは0msに近い値になります。
数値が大きくなるほどテンプの動きに偏りがある状態で、
姿勢によって精度が変化しやすくなる傾向があります。
測定結果は
日差 +10秒/日
振り角 257°
片振り 0.8ms
という状態でした。
使用頻度が少なかったことから精度自体は大きく崩れてはいませんが、
振り角がやや低下、片振りがやや大きいという状態で、
内部潤滑油の劣化が考えられる状態です。
内部パーツの損傷は見受けられませんでしたので、各部品の分解・清掃・注油と
ゼンマイの交換を行います。
※ゼンマイは消耗品のため、オーバーホール等のタイミングで
定期的な交換が必要となります。
片振りは完全に0msにする必要はなく、
0.6〜0.8ms程度であれば実用上問題ないことも多いですが、
オーバーホール時には可能な限り調整を行います。
ロレックス オイスターパーペチュアルのムーブメント
ケースを開け、ムーブメントを取り出します。

裏蓋を開けた状態のロレックスの自動巻きムーブメント
ロレックスの自動巻きムーブメントは、
高い耐久性を持つ設計が特徴ですが、
長期間の使用によって潤滑油の劣化は避けられません。
今回はオーバーホールのため、
ムーブメントを分解し各部品を洗浄していきます。
ムーブメントの分解・組み立て作業
文字盤と針を外し、
ムーブメントを分解していきます。

ムーブメントから文字盤を取り外した状態
機械式時計は100点以上のパーツで構成されており、
すべての部品を一度分解し洗浄を行います。

ムーブメントを分解した様子(輪列・テンプまわり)

ムーブメントを分解した様子(自動巻き機構まわり)
無事、分解が完了しました。

ねじと定規のサイズ比較
ねじ1本当たりのサイズは非常に小さく、繊細な作業となります。
腕時計はこうした精密部品で構成されています。

ムーブメントを組み立てて針の取付まで行った様子
洗浄後は適切な箇所に注油しながら
慎重に組み立てていきます。
オーバーホール後の測定結果
組み立て後、再度タイムグラファーで測定します。

オーバーホール後のタイムグラファー測定
オーバーホール後は
日差 0~3秒/日
振り角 271°
片振り 0.1ms
まで改善しました。
振り角も回復し、
安定した動作が確認できました。
ロレックスのオーバーホール時期の目安
機械式時計のオーバーホールは
おおよそ3〜5年ごとが目安とされています。
振り角の低下や片振りが見られる場合、
内部の油が劣化している可能性があります。
精度が大きく崩れていなくても、
定期的なメンテナンスを行うことで
ムーブメントの寿命を延ばすことができます。
当店ではロレックスのオーバーホール修理を承っております。
ロレックスのオーバーホールや精度調整についてもお気軽にご相談ください。
名古屋 本山での店頭受付のほか、
全国郵送修理にも対応しています。
ロレックスの修理料金については
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