機械式時計の状態を確認する際に重要な指標のひとつが「振り角」です。
振り角はタイムグラファーで測定することができ、時計のコンディションを判断する材料となります。
この記事では、時計の振り角の意味や正常値、振り角が低い場合に考えられる原因について解説します。
当店でもタイムグラファーで振り角を測定し、時計の状態を確認したうえでオーバーホールを行っています。
機械式時計の振り角は270°〜320°程度が正常値の目安とされています。
振り角が低下している場合、内部の油劣化などが原因の可能性があります。
目次
この記事では、時計修理の現場で実際に使用しているタイムグラファー測定をもとに振り角の意味とオーバーホールの目安を解説します。
- 振り角とは
- 振り角の正常値
- 振り角が低下する原因
- 振り角が低いとどうなるか
- 振り角低下は修理で改善するのか
時計の振り角とは
振り角とは、機械式時計のテンプ(振り子)が左右にどれくらいの角度で振れているかを示す数値です。
振り角は機械式時計のオーバーホール時期を判断する重要な指標でもあります。
この数値はタイムグラファーと呼ばれる測定器で確認することができ、
振り角が十分に確保されている時計は、ムーブメントが効率よく動作している状態といえます。

タイムグラファーを使用すると、振り角・日差・片振りなど機械式時計の状態を測定できます
振り角200°は異常?オーバーホールの目安
振り角が200°以下になる場合、内部の潤滑油の劣化や部品摩耗が進んでいる可能性があります。
このような状態ではオーバーホールが必要になるケースも多くなります。
振り角の正常値(自動巻き時計の場合)
機械式時計の振り角は、一般的に以下の範囲が目安とされています。
- 270°〜320° 良好な状態
- 240°〜260° やや低下
- 200°以下 オーバーホール推奨
ロレックスなどの自動巻き時計では、270°前後の振り角が出ていることが多く、健康な状態といえます。
ただし測定姿勢やムーブメントの設計によって数値は多少変化するため、あくまで目安として考える必要があります。
振り角が低下する原因
振り角が低下する主な原因には次のようなものがあります。
- 潤滑油の劣化
- 部品の摩耗
- ゼンマイの劣化
- 巻き上げ不足
特に多いのが、長期間オーバーホールを行っていないことによる潤滑油の劣化です。
内部の油が劣化すると摩擦が増え、ムーブメントの動力が十分に伝わらなくなるため振り角が低下することがあります。

自動巻き時計のムーブメントは多数の精密部品で構成されています
振り角が低いとどうなるか
振り角が低い状態になると、次のような症状が出ることがあります。
- 日差が大きくなる
- 姿勢差が大きくなる
- 時計が止まりやすくなる
振り角が200°以下になると、オーバーホールが必要な状態であるケースも多くなります。
振り角低下は修理で改善するのか
振り角の低下は、オーバーホールによって改善するケースが多いです。
オーバーホールでは
- ムーブメントの分解
- 部品洗浄
- 注油
- 精度調整
などを行い、時計本来の動作状態に整えていきます。
振り角低下の修理事例
実際に振り角が低下していたロレックスのオーバーホール事例をご紹介しています。
振り角が低下していたロレックスのオーバーホール修理事例はこちらです。
オーバーホールの目安
機械式時計のオーバーホールは、一般的に3〜5年ごとが目安とされています。
振り角の低下や極端な片振りが見られる場合、内部潤滑油が劣化している可能性があります。
精度が大きく崩れていなくても、定期的にメンテナンスを行うことでムーブメントの寿命を延ばすことができます。
時計のオーバーホールについて
当店では機械式時計のオーバーホール修理を承っております。
名古屋 本山での店頭受付のほか、全国郵送修理にも対応しています。
修理料金の詳細については以下のページをご覧ください。











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