「3分でわかる」は、時計修理店が腕時計の仕組みや使い方をわかりやすく解説するシリーズです。
今回のテーマは「防水時計」です。
「50m防水だから海でも使えると思っていた。」
「防水時計なのに文字盤が曇ってしまった。」
そんな経験や疑問を持ったことはありませんか?
実は、防水時計の「30m」「50m」「100m」という表示は、潜れる深さを表しているわけではありません。
今回は、防水性能表示の意味や使用できるシーン、水入りを防ぐためのポイントについて、修理店の視点からわかりやすく解説します。
防水時計なのに、なぜ曇ってしまうの?
夏になると、
「海で使ったあとに文字盤が曇った」
「プールから上がったらガラスが白くなった」
というご相談をいただくことがあります。
防水時計だからといって、どんな環境でも安心して使えるわけではありません。
まずは、防水表示の意味を正しく知ることが大切です。
30m・50m・100mは「潜れる深さ」ではありません
時計に表示されている30m・50m・100mは、時計が耐えられる水圧の目安です。
つまり、
- 30m防水=30m潜れる
- 50m防水=50m潜れる
という意味ではありません。
一般的な使用シーンの目安は次のとおりです。
| 防水性能 | 使用できるシーン(目安) |
|---|---|
| 30m防水 | 手洗い・雨などの日常生活 |
| 50m防水 | 水仕事など |
| 100m防水 | 水泳など |
| 200m防水以上(空気潜水用防水) | ダイビングなど |
実際の使用環境では、水の勢いや腕の動きによって時計へかかる圧力が変化するため、防水性能を過信しないことが大切です。
防水時計でも水が入ることがあります
防水性能がある時計でも、水入りが起こることがあります。
主な原因には、
- リューズが完全に閉まっていない
- パッキンの経年劣化
- 水中でボタンを操作した
- 温泉やサウナなど高温環境で使用した
などがあります。
防水性能は永久に維持されるものではなく、使用年数とともに少しずつ低下していきます。
修理店ワンポイント
ヴィンテージウォッチの多くは、防水性能を期待して使用することはおすすめできません。
発売から数十年が経過した時計は、当時の防水性能を維持しているとは限りません。
たとえ「30m防水」「50m防水」と表示されていても、パッキンの経年劣化や部品の摩耗によって、防水性能は低下している可能性があります。
修理の現場でも、「昔は防水だったから大丈夫だと思って使っていた」というヴィンテージウォッチの水入りは珍しくありません。
大切なヴィンテージウォッチは、基本的に水濡れを避けて使用することをおすすめします。
防水時計を長く使うためのポイント
防水性能を長く維持するためには、普段の使い方も重要です。
- リューズがしっかり閉まっていることを確認する
- 海で使用した後は真水で塩分を洗い流す
- 温泉やサウナでの使用は避ける
- ガラスが曇った場合は使用を続けず、できるだけ早めに時計店へ相談する
ちょっとした心掛けが、水入りを防ぐことにつながります。
まとめ
今回覚えていただきたいポイントは一つです。
「50m防水は、50m潜れるという意味ではありません。」
防水性能を正しく理解し、使用環境に合わせて使うことで、大切な腕時計をより長く安心して楽しむことができます。
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