3分でわかる|機械式時計は、なぜ毎日少しずつズレるの?修理店が解説

機械式時計はなぜ毎日少しずつズレるのかを修理店が解説した記事

「3分でわかる」は、時計修理店が機械式時計の仕組みや魅力をわかりやすく解説するシリーズです。

昨日合わせたばかりなのに、今日は少し時間がズレている。

機械式時計を使い始めた方なら、一度はそんな経験があるのではないでしょうか。

高価な時計だからこそ、「故障なのでは?」と心配になることもあります。しかし、機械式時計はクォーツ時計とは異なり、その構造上、毎日わずかな誤差が生じることがあります。

今回は、機械式時計が少しずつズレる理由や「日差」の考え方、修理店ではどのように時計の状態を判断しているのかを、動画とあわせてわかりやすくご紹介します。

機械式時計はなぜズレる?

機械式時計は、ゼンマイの力を利用して動いています。

その力を一定のリズムで刻んでいるのが「テンプ」と呼ばれる部品です。

テンプが規則正しく往復運動を繰り返すことで、秒針・分針・時針は時間を刻み続けています。

しかし、このリズムは常に一定というわけではありません。

例えば、

  • 時計を置く向き
  • ゼンマイの巻き上げ状態
  • 磁気の影響

などによって、わずかに変化することがあります。

そのため、機械式時計は毎日まったく同じ精度で動き続ける時計ではなく、少しずつ時間が進んだり遅れたりすることがあるのです。

「日差」とは?

機械式時計の精度は、「日差」という考え方で表します。

日差とは、1日に何秒進むか、または何秒遅れるかを示す数値です。

例えば、

  • 1日に5秒進む
  • 1日に8秒遅れる

といったように、1日あたりの誤差で時計の精度を表現します。

機械式時計では、日差があること自体は珍しいことではありません。

重要なのは、「以前と比べてズレ方が大きく変わっていないか」という点です。

ズレ=故障ではない

時間が少しズレるからといって、すぐに故障とは限りません。

機械式時計は、姿勢や使用状況によって日差が変化することもあるため、ある程度の誤差は自然な現象です。

一方で、

  • 急に大きく進むようになった
  • 今までより大幅に遅れるようになった
  • 日によってズレ方が極端に変わる

このような変化が見られる場合は、磁気帯びや潤滑油の劣化など、時計内部に何らかの変化が起きている可能性があります。

普段のズレ方を把握しておくことで、時計の小さな異変にも気付きやすくなります。

修理店は何を測る?

タイムグラファーで機械式時計の日差や精度を測定する様子

修理店では、タイムグラファーを使って日差・振り角・片振りなどを測定し、時計の状態を確認します。

修理店では、タイムグラファーという測定器を使って時計の状態を確認します。

確認するのは日差だけではありません。

  • 日差
  • 振り角
  • 片振り
  • 姿勢による精度の変化

これらを総合的に確認し、時計が正常な状態かどうかを判断しています。

外観だけでは分からない内部の状態も、測定結果からある程度推測することができます。

修理店ワンポイント

毎日同じタイミングで時刻を確認すると、自分の時計がどのようなズレ方をするのか把握しやすくなります。

「いつもより進む」「最近遅れが大きい」など、小さな変化に気付くことは、オーバーホールや点検のタイミングを知るきっかけにもなります。

まとめ

機械式時計は、毎日まったく同じ精度で動く時計ではありません。

姿勢やゼンマイの巻き上げ状態、磁気など、さまざまな影響を受けながら動いているため、わずかな時間のズレが生じることがあります。

大切なのは、「ズレること」ではなく、「普段と違う変化」に気付くこと。

それが、機械式時計を長く楽しむための第一歩です。

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